試算表を早期作成すべき理由と、翌月3営業日までに作る方法

貴社は、試算表をいつまでに作成していますか?
末日から数えて1ヶ月後、15日後、3日後・・・。
早いところだと「末日(当日)に完成できます!」という会社があるかもしれませんね。
ところで、どうして試算表を急いで作る必要があるのでしょうか?
試算表を早期作成すべき理由
試算表を早期作成するメリットは2つあります。
まず、社内の経営判断に役立つという点です。
企業の経営状態を捉えるためには、試算表を見るのがてっとり早いです。
利益がどれくらい出ているか、現預金は足りているか。利益不足や資金不足に陥っている理由はなにか。また、年間計画や予算計画に対して進捗の遅れやズレはないか。などを確認できます。
リアルタイムで状況把握ができれば、早め早めの対策が可能となりますから、スピード感のある経営ができるようになるというわけですね。
次に、社外のステークホルダー(利害関係者)からの評価に繋がるという点です。
具体的には、金融機関からの評価や信頼度が上がり、融資を受けやすくなります。
そんなことで融資が受けやすくなるの?と思われるかもしれませんが、逆を考えてみれば分かりやすいです。もし、試算表が出てくるのに時間がかかり、しかもそれが数ヶ月前の内容だったとしたら・・・。
最新の財務状況が見えず、業績管理も出来ていなさそうな企業に対して融資をするのは、金融機関の立場としてはちょっと怖いですよね。金融機関は「安心して融資できる会社に貸したい」と思っています。最新の試算表がすぐに出てくるに越したことはありません。
これらのメリットを享受するためには、翌月3~7営業日までには、前月までの試算表を作成できるようになりたいです。
試算表を翌月3営業日までに作る方法
それでは、どうすれば試算表の早期作成ができるようになるのでしょうか?
ポイントは2つあります。
1.経費は毎日記帳する
2.売上や仕入は、販売管理ソフト等でリアルタイムに管理をする
ひとつずつ説明しますね。
1.経費は毎日記帳する
試算表を早く作るためには、仕訳を溜めないようにすることが重要です。
製造業や卸売業の場合、売上や仕入は月締めで把握されているケースが多いと思います。ですが、経費は日々把握できるはずです。経費は毎日記帳するようにしましょう。
このように言うと、「毎日記帳するのは逆に非効率です!」と仰られる経理担当の方がいるかもしれませんね。お気持ちはとても良く分かります。
その場合でも、リアルタイム性を確保するために五十日(ごとび※)には処理を進めておきたいところです。
※五十日(ごとび):5日、10日、15日、20日、25日、末日など、5と0のつく日のこと
仕訳業務を効率化するために、会計ソフトの仕訳辞書や、クラウド会計の自動仕訳機能を活用するのもよいでしょう。
2.売上や仕入は、販売管理ソフト等でリアルタイムに管理をする
仕入の請求書が届くのが遅くて、どうしても試算表の完成が遅れてしまう・・・という事情があるかもしれませんね。しかし、そんな事を言っていたら早期作成は実現できません。
取引先から資料が出てくるのを待つのではなく、自社で売上や仕入の金額を把握できるようになればいいんです。そのために、販売管理ソフト等を使いましょう。
たとえば弥生販売シリーズだと、「弥生販売プロフェッショナル」を使えば「仕入管理」ができます。
販売管理ソフトでは、日々、リアルタイムに伝票入力を進めておきましょう。そうすれば毎月末日~翌月3営業日までには「暫定での残高」が集計できます。その数値を使って試算表を作成するというわけです。社内の経営判断に使う場合は、取り急ぎでは90%程度の精度があればOKだと考えましょう。
試算表を金融機関に提出する等で、急いで金額を確定させたい場合は、電話で取引先に金額を確認すればいいだけです。
「試算表の早期作成のためだけに、販売管理ソフトを導入するのはちょっと・・・」と思うかもしれません。もちろん販売管理ソフトを導入するメリットはあります。以下のページで解説しています。
まとめ
このように一度、体制を作ってしまえば、試算表の早期作成は簡単にできるようになります。
試算表が早く完成するようになると、スピード感のある経営ができるだけではなく、金融機関からの融資を受けやすくなります。
もし貴社がまだ取り組んでおられない場合は、ぜひおすすめしたいです。
具体的な方法については、以下のリンクをご参考になさってください。
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