資金繰り管理システム「milestone」の中の人とお話しました
こんにちは!あすのて経営の林めぐみです。
先日、資金繰り管理システム「milestone」の中の人、公認会計士の姫野省吾さんとお話する機会がありました。短い時間ではありましたが、有意義な意見交換をさせていただきました。
- 資金繰り管理システム「milestone」
私は普段、中立的な立場でソフトウェアをご紹介していますが、milestone は私の理念と重なる部分が多く、多くの企業におすすめしたいシステムでした。
以下、姫野さんとお話した内容を、私なりにまとめてみました。
目次
資金繰り表とは
まず、資金繰り表とは、
入出金(回収・支払い・返済等)や現預金残高を把握し、
お金の増減を管理する表のことです。
▼月次資金繰り表の例
しかし、この表をExcelで作ろうとすると、結構骨が折れるのです。「資金繰りにそこまで手間を掛けていられない」という企業も多いでしょう。
それを簡単に作れるようにしてくれるのが、「milestone(マイルストーン)」というクラウドサービスです。
資金繰り表の「本質」とはなにか
そもそも、資金繰り表の本質とは何でしょうか。
「資金繰り表」というと、金融機関に求められて作成・提出するもの、とお感じになる経営者が多いかもしれません。なぜ金融機関が資金繰り表を欲しがるか、ご存知ですか?
資金繰り表の本質は、中長期の資金状況を見通せるようになることだからです。
資金繰り表でつまづきやすいポイント
中長期の資金計画を作るためには、「今後の事業の見通し」が必要ですね。ここで、「数カ月先の売上や支払いなんて、そのときになってみないと分からない」とつまづいてしまう方が多いのではないでしょうか?
私が関わった小規模企業でも、1か月先の回収と支払い(つまり確定した入出金予定)しか管理していないケースが多々ありました。
資金繰り表は、誰のためのものか
でもちょっと待ってください。そもそも資金繰り表は、自社の経営に役立てるために作るものです。今後の資金状況がどうなるか一番知りたいのは、経営者自身ですもんね。何も資料が無いよりも、ざっくりでもいいから見通しが立つほうがいいでしょう。
もし、資金繰り表を社内で見るだけだったら、多少、精度が低くても構わないと私は考えます。精度が低いと言っても、デタラメに作って困るのは自社ですから、ある程度は確度の高い情報を入力するでしょう。売上や仕入は、過去の実績を入力しておけばいいし、それでまずいと思うなら適宜修正しますよね。だから大丈夫なのです。
資金繰り表は、なぜ必要なのか
ここで、企業のお金の管理について考えてみましょう。
お金の管理には3種類ある
企業のお金の管理は、主に「経理」「会計」「財務」の3つで構成されている、と私は考えています。
- 「経理」では、回収・支払管理や、手形・現預金残高など、現在の入出金を管理します。
- 「会計」では、業績の集計や財務分析、税金の計算など、過去の実績を管理します。
- 「財務」では、中長期の資金計画(設備投資計画や借入れ計画)など、未来の計画を作ります。
お金の管理には「仕組み」が必要
お金の管理をするためには、「仕組み」が必要です。
お金に関する「仕組み」といえば、販売管理ソフト や 会計ソフトが思い浮かびますね。しかし、それだけでは管理が不十分なのです。
- 販売管理ソフトでは、現在の売上や仕入の管理をします。しかし「その他経費」の管理はできません。
- 会計ソフトでは、簿記によって、損益や財産の変動を管理します。しかし「現預金の動き」や「今後の資金状況」の管理はできません。
資金繰り表で、管理の穴を補完する
そんな管理の穴を補完してくれるのが、資金繰り表です。
- 「日次資金繰り表」は、日々の回収や支払い、手形・現預金残高を管理します。つまり「経理(現在)」 を管理する仕組みです。
- 「月次資金繰り表」は、今後数ヶ月~数年の資金計画を立てる表です。つまり「財務(未来)」を計画する仕組みです。
資金繰り表を作成すれば、企業の現在・過去・未来のすべての時間軸について、お金の管理が可能になるのです。
「milestone」は、社内での資金繰り管理に特化
ここで、資金繰り管理システムの「milestone」が力を発揮します。
「milestone」は社内管理に特化しており、日次の資金繰り管理を中心に管理します。
日々の入出金予定を入力していくだけで、「日次資金繰り表」と「月次資金繰り表」を自動生成してくれるのです。
日次資金繰り表
日々の入出金は、銀行口座ごとに管理します。
管理形式は、通帳を思い浮かべてもらうといいと思います。
手順は簡単です。
- 入出金の「予定」を登録する。
- 実際に入金や出金があったら、「決済済み」のボタンを押す
これだけです。
予定の金額が分からない場合は、概算でいいので登録しておきましょう。社内で見るだけなら、予定の金額はざっくりで構いません。確定したときに修正すればいいのです。
milestone には、予定を楽に登録できる仕組みがあります。たとえば、「繰り返し登録機能」を使うと、毎月や毎年など繰り返し発生する入出金は一度登録するだけですみます。
操作は直感的で、デザインは可愛いです。お金の管理に苦手意識がある方でも取っつきやすいのではないでしょうか。
▼milestoneで作成される「日次資金繰り表」
月次資金繰り表
milestoneでは、月次資金繰り表は、日次資金繰り表から自動生成されます。
取引先ごとに集計してくれるため実績が確認しやすく、今後の予定を立てやすいです。
「借入金の返済予定」や「投資支出予定」も登録できるので、数カ月先、1年先、数年先までの資金状況を見通せるようになります。資金繰りが来月までしか見えないときと比べると、経営者の安心感は雲泥の差です。ぜひ、試していただきたいと思います。
ただしmilestoneは、社内管理に特化しているがゆえに、一般的な月次資金繰り表の書式ではありません。社内で使う分には問題ありませんが、このまま金融機関に提出するのは憚られるかもしれませんね。
将来的には一般的な資金繰り表の書式にしてほしい、と要望を伝えておきました(笑) 期待して待ちましょう。
▼milestoneで作成される「月次資金繰り表」
最後に
milestoneの中の人、姫野さんは、
「お金の管理の出発点を『資金繰り管理』と考えてみてほしい」とお話されていました。
ブログでも熱く語っておられます。
milestoneでは上位プランとして、「milestone+(マイルストーンプラス)」という経理支援サービスを始めたそうです。企業が資金繰り管理に集中することを前提に「会計(簿記)の作業」をアウトソースすることで、キャッシュフロー主体の経営管理が実現できる、というものです。
言うまでもなく、資金管理は企業の生命線です。
そして資金繰り表は、「現在」と「未来」のお金について管理できる仕組みです。
- 「現在」を緻密に管理できれば、回収漏れや支払い忘れでドタバタすることがなくなります。
- 「未来」の見通しが立てば、それまでにどうするかという選択肢が増えるでしょう。
結果として経営が安定し、本当に取り組むべき戦略に集中できるようになっていきます。もし貴社が資金繰り管理をしていないなら、この期にチャレンジしてみてほしい、と願います。
私も姫野さんに負けないよう、中小企業の経理力アップのご支援を続けていきますね。
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