「企業の強み」を知る方法

貴社の強みはなんですか? 
長年蓄積してきた技術力や独自のノウハウでしょうか。それとも迅速な対応力や、経験に裏打ちされた営業力でしょうか。

今日は、自社の強みを知る方法についてお話します。

強みを把握するメリット

中小企業・小規模事業者を対象としたアンケートによると、自社の強みを把握している事業者ほど、売上高が増加傾向という結果になっています。また、売上高が増加傾向の企業ほど、自社の強みを把握して、新規顧客や販路の獲得、新製品開発や既存製品の改善、ブランド力強化に繋げていることが分かります。

出典:2017年度 中小企業白書 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/shokibo/04sHakusyo_part2_chap3_web.pdf
小規模事業者の業績向上に向けた取組み等に関する調査 [2016年12月、野村総合研究所]

長所は「強み」とは限らない

では、企業の「強み」とは何でしょうか?

「長所」とは少し違います。もしも競合他社にも同じ長所がある場合、それは自社の強みにはなりません。そのため、強みのことを「差別化要因」とか「競争力の源泉」と表現することもありますね。客観的に見たときに、自社ならではの長所である必要があるわけです。また、独りよがりな長所でもいけません。あくまでも「売上に繋がる長所」が企業の強みです。

とはいえ、自分で自分のことを客観的に見るのは難しいもの。かと言って、コンサルタント等による強み診断を受けるのは少し敷居が高いかもしれませんね。

そんなとき、自分の力で「自社の強み」を知る方法があります。

強みとは、お客様から「選ばれる理由」

どうするかというと、主要な得意先に尋ねてみればいいのです。

御社は、当社のどういうところが良いと思って、お取引をしてくださっているのですか?』・・・と。

お客様には、貴社と取引をしている理由があります。世界中に競合企業が星の数ほどある中から、わざわざ貴社を選んだのですから。

大げさな、と思われるかもしれませんが、BtoB取引の世界では、きちんと検討して契約しますよね。絶対に何かしらの理由はあります。

そして、大抵の場合、
・自社が強みと認識している事
・得意先が「いいな」と思った理由
にはズレがあります。

もしかしたら些細な理由かもしれません。会社がご近所だったから、とか、従業員さんの挨拶がハキハキしていたから、ということもあります。また、「えっ、そこ?!」と思うことかもしれません。親身に相談に乗ることや、自社では大したことないと思っていた品質や実績が評価されていることもあります。

自分で自分のことは、意外と分からないものです。

企業の強みは、お客様に聞いてみるのが一番です。

主要な得意先は、貴社にメリットを感じてくれているから取引しています。平たく言うと、貴社が好きだからお付き合いがあるのです。質問したら意外と好意的に答えてもらえますよ。少し勇気が必要かもしれませんが、ぜひヒアリングしてみてください。

この記事を書いた人

林 めぐみ
林 めぐみ
中小企業診断士
経理・財務スキル検定 レベルA
日商簿記2級/基本情報技術者/FP2級

得意な業種:製造業・卸売業  得意なテーマ:経営全般・財務・IT

IT企業でのシステム運用を経て、小規模製造業の取締役を11年間経験。3代目後継者である夫のビジネスパートナーとして尽力し、経営企画からバックオフィスまで幅広い経験を積む。小さな会社でもできるIT活用や財務管理など、実践的なアドバイスが得意です。貴社の「明日の一手」=「あすのて」を導きます。

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